オンラインゲームのマルチプレイが出来ない原因とIPv6の活用

オンラインゲームのマルチプレイが出来ない原因とIPv6の活用

2026/09/18

こんにちは。ZetaLink株式会社 R.Yです。

今回初めてブログを書くにあたり何を書こう?と考えていたところ、担当している業務にて新しいことを進めることになったので、そのことを今回はまとめようと思います。

3年程前から集合住宅のネットワークに関する仕事に携わることになり、設計・構築を経て今年から運用をメインに行っています。

その中で、住民の方からこんな問い合わせをいただきました。

「PS5のオンラインゲームのルーム作成時にエラーが表示されてマルチプレイが利用できない」

運用を開始してから初の問合せだったので、どのような場合に利用できないかを調べてみました。

1.集合住宅のネットワーク環境の提供方法について

まず、集合住宅の場合にどのような方法で住民にネットワーク環境を提供しているかを調べたところ

一般的に

①共用部にNW機器を設置して各住宅へ配線する(有線での利用)

②各住宅にwifi機器を設置(無線での利用)

③住民側で個別に回線を敷設して利用 といった方法がとられているそうです。

①や②は入居時から住宅に設置されているLANコンセントやwifiに接続することで利用可能となりますが

通信速度や帯域や他の住宅での利用状況に影響されるため、思ったより速度が出ない・使いづらいなどがあります。

③は大家さんや管理会社の許可、配線などの物理工事費用の負担がかかる分、他の住宅に影響されず安定したネットワーク環境利用ができるメリットがあります。

2.マルチプレイが出来ない原因

問合せをいただいた住民の方にエラー画面を提供いただいたところ、「NAT Type3」と表示されているとの事。

NATについてはよく聞く用語でしたがType3?と思いこちらも調べてみました。

前提として、IPv4アドレスには大きく分けて

・グローバルIPアドレス

・プライベートIPアドレス があります。

グローバルIPアドレスはインターネット上で送信元や宛先を指定するための世界で一意となるIPアドレスです。

対して、普段PCやスマホを利用する場合に割り当てられているのはプライベートIPアドレスです。

試しに調べてみましょう。

表示されている「192.168.x.x」というのがプライベートIPアドレスです。

ただ、このプライベートIPアドレスではインターネットで使うことができないためグローバルIPアドレスへの変換が

必要になります。

その時に使われているのが「NAT(Network Address Translation)」です。

ではType3とはどういう意味なのか?

NATの中にも以下のタイプがあるそうです。

・オープン(Type1):他のプレイヤーとの通信に制限がかからないがセキュリティが弱い

・モデレート(Type2):一部制限がかかり、特定のプレイヤーとの通信に影響が出る

・ストリクト(Type3):セキュリティを強固にする分、ラグや回線切断が起こりやすい

一般的に集合住宅などではNAT Type3になっていることが多く、住民で個別に回線を敷設して対応するケースが多いそうです。

もう一点、ゲームのマルチプレイの通信形式として「P2P」という通信を利用してます。

これは、ユーザー同士がサーバーを介さず直接通信を行いリアルタイムに動きの同期を行うために必要なものになるのですが、

NATの影響を受けてP2Pでのやりとりが出来なくなってしまうため、マルチプレイで遊べなくなってしまうのです。

3.IPv6の活用

マルチプレイが利用できない解決方法として、今検討しているのが「IPv6」です。

IPv6についても仕事で扱ったことがなかったので調べてみました。

IPv4アドレスは1981年から使われており、「xxx.xxx.xxx.xxx」という形式の32ビットで構成されているのですが、インターネットの発展や繋がるデバイスの増加によってこの形式で表すことが可能なIPv4アドレスが枯渇してしまったことにより新しくIPv6アドレスが作られました。

IPv6アドレスは「xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx」という形式の64ビットで構成されており、世界中のデバイスに一意のIPアドレス(IPv4のグローバルIPアドレスと同じ)を割り当てても余りある程の膨大な数を確保してます。
IPv6アドレスを制限がかかっているデバイスに対して割り当てることでNAT Type3の制限を受けることなくマルチプレイが利用できるようになるわけです。

ただし、IPv6アドレスを割り当てただけではインターネットを介してデバイス同士で直接通信することが可能となってしまうため、不正アクセスの対象となる機会が増えてしまうリスクも存在します。
(IPv4ではNATを利用することで、デバイスに割り当てられているプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し隠すことが出来るため、ちょっとしたセキュリティの強化にもなっています。)

4.まとめ

現在はセキュリティ面の懸念点への対処について検討を進めており、住民の方にIPv6のネットワーク環境を提供するまでにまだまだ時間がかかる予定です。
環境を実装できた暁には今の状況が改善されるとよいのですが。